近年、ラジカル反応は、有機合成における有用な結合形成手段として利用が報告されています。V-70は富士フイルム和光純薬が独自に開発したラジカル開始剤であり、ラジカル付加反応の添加剤として使用できます。
V-70
特長 ①低温(30℃)での反応が可能に!!(AIBNと比べて)
②中性条件での反応が可能に!!(Et3Bと比べて)
③工業スケールでの反応が可能に!!(光反応と比べて)
反応例(1)
Initiator | Time(hr) | Yield(%)of 3a | |
---|---|---|---|
AIBN | 24 | No Reaction | |
BPO | 24 | No Reaction | |
Et3B | 18 | 44 | |
hv | 6 | 85 | |
V-70 | 12 | 89 |
低温重合開始剤であるV-70をラジカル開始剤として使用することにより、熱によって不均化や分解をおこしやすいブロモマロノニトリルを用いた反応を室温下で効率よく進行させることができます。
参考文献
Y. Kita, A. Sano, T. Yamaguchi, M. Oka, K. Gotanda, M. Matsugi,Tetrahedron Lett., 38, 3549 (1997)
M. Matsugi, K. Gotanda, C. Ohira, M. Suemura, A. Sano, Y. Kita,J. Org. Chem., 64, 6928 (1999)