Swern酸化のコスト削減と年間50 t規模を想定したプロセス設計
概要
バッチ法では極低温条件が必要とされてきた Swern 酸化において、0℃付近の温和な条件下で高純度の目的物を得ることに成功。 また、年間50 t規模に対応可能な量産プロセスを設計。
課題
Swern酸化は狙った位置だけを高選択的に酸化できる反応です。 しかし、バッチ法では反応の進行や副反応の抑制を目的として極低温条件が必要であり、設備負荷や作業環境に課題がありました。 また、代替手法として用いられるDess–Martin法の場合、原材料のコストや安全性に課題があり、工業的な適用には制約がありました。
当社での検討
フロー合成の特長である高い熱交換性と反応時間の精密制御を活かし、副生成物が増えにくい温度域を維持するプロセスを設計しました。 具体的には、反応を段階的に進めるよう混合点・温度制御・配管長(滞留時間)を最適化し、温度逸脱や局所的な反応過多が起きにくい運転条件を構築しました。
これにより、バッチ法で課題となっていた極低温の条件を緩和し、再現性の高い反応制御を可能にしました。
課題に対する成果
フロー合成をSwern酸化に適用し、0℃付近の温和な条件下で高純度の目的物を得ることに成功しました。 また、副生成物を抑制することで精製工程の負荷を低減し、年間50t規模に対応可能な量産プロセスを設計しました。
さらに、Dess–Martin法で生じる原材料コストや安全性の課題を回避し、工業的な適用性と経済性を両立しました。
本事例のポイント
- 極低温条件に依存しない、0℃付近で運転可能なSwern酸化プロセスの実現
- 副生成物の抑制による精製負荷の低減
- 年間50t規模の量産を想定したプロセス設計による、工業的な適用性とコスト優位性の両立