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光塩基発生剤

WPBG-345

CAS : 2073916-67-1

優れた溶解性

プラスチックをつくる

光でかためる

  • 各種組成物中(エポキシ×チオール、エポキシ×酸無水物)で高い保存安定性を示します。
  • 光照射により、強塩基であるビグアニド(pKbH=31.8)が発生します。
  • 各種増感剤を併用することで長波長領域に感光性を示します。
(Z)-{[Bis(dimethylamino)methylidene]amino}-N-cyclohexyl(cyclohexylamino)methaniminium tetrakis(3-fluorophenyl)borateの分子式
化学名 (Z)-{[Bis(dimethylamino)methylidene]amino}-N-cyclohexyl(cyclohexylamino)methaniminium tetrakis(3-fluorophenyl)borate
CAS RN® 2073916-67-1
分子量 713.70

物性

外 観

ほとんど白色

結晶

融 点 138℃
TG-DTA 231℃にて重量減少開始
溶解性 (g/solv. 100 g)
  • NMP62
  • GBL81
  • PGMEA55
  • アセトン107
  • 乳酸エチル31
  • PGME44
  • メタノール3
  • H2O<0.5

UV(0.02 mg/mL in CH3CN)

WPBG-345の吸光スペクトル

極大吸収
197 nm(ε=118000) 254 nm(ε=15500) 365 nm(ε=15)

※増感剤を併用することで長波長領域にも感光性を示します。

関連法規・安全性

消防法 非該当
毒物及び劇物取締法 非該当
化審法 告示されていない
安衛法 告示されていない
TSCA Not Listed
EINECS Not Listed
REACH Not Listed

組成物の保存安定性

エポキシおよびチオール組成物における高い安定性を示す図 エポキシおよび無水物配合物における高い安定性を示す図

→WPBG-345を使用した場合、組成物の粘度上昇が起こりにくいです。

使用例1エポキシオリゴマー × 多官能チオールのアニオンUV硬化

エポキシオリゴマーと多官能チオールのアニオン UV 硬化

条件

配合 WPBG-345 3~10部、2-イソプロピルチオキサントン 0.6~2部(WPBGに対し0.2等量)、jER®828(エポキシ等量 185、三菱ケミカル株式会社製)100部を混合後、加熱もしくは希釈剤を使用し溶解させます。室温でKarenzMT®PE1(SH等量 138.5、昭和電工株式会社製)70部を混合します。
組成物の保存安定性(初期粘度の2倍を超えない期間) 2ヵ月以上(10℃)、3週間(25℃)、3日(40℃)
露光 10秒照射(面照度 5mW/cm2(254nm)、100 mW/cm2(365nm)、261mW/cm2(405nm))

結果はカタログをご覧下さい。

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使用例2エポキシオリゴマー × カルボン酸によるパターニング

エポキシオリゴマーとカルボン酸を使用した使用例

条件

配合 WPBG-345 1~10部、2-イソプロピルチオキサントン 0.2~2部(WPBGに対し0.2等量)、jER®828(エポキシ等量 185、三菱ケミカル株式会社製)100部、Joncryl®682(OH等量 138、BASFジャパン株式会社製)64部をγ-ブチロラクトン300部に溶解させます。
製膜 ポリカーボネート、膜厚10~20 μm
露光 任意(面照度 5mW/cm2(254nm)、100mW/cm2(365nm)、261mW/cm2(405nm))
露光後加熱 150℃/10分
現像 1wt% Na2CO3 1分浸漬 → 水で洗浄

結果はカタログをご覧下さい。

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ボレート型光塩基発生剤(PBG)に有効な光増感剤

WPBG-300、WPBG-345は、チオキサントンをはじめとする長波長に吸収を有する光増感剤を併用することで、様々な波長域においてアルキルビグアニドを発生できる(図1)。光増感剤の違いでPBGの光分解性が変化するため、使用する光源や硬化後の着色等を考慮しながら最適な増感剤を選択する必要がある。

WPBG-300、WPBG-345の構造式 図1 WPBG-300、345の構造式

WPBG-345と各種光増感剤を組み合わせた時の光分解率を図2に示す。2-エチルアントラキノンや1-クロロアントラキノンは、高い光増感効果を示しWPBG-345の光分解性を向上させる(図2)。

光増感剤の違いによる WPBG-345 の光分解性の変化 図2 WPBG-345の光増感剤の違いによる光分解性の変化

光増感剤として2-エチルアントラキノンをエポキシオリゴマー・多官能チオールの硬化系に使用すると、従来使用されていた2-イソプロピルチオキサントンに比べて、硬化時間を短縮できる(図3)。なお、WPBG-300に対して2-エチルアントラキノンを用いた場合も同様に光分解性を向上できる。

エポキシオリゴマーと多官能チオールによる UV アニオン硬化 図3 エポキシオリゴマーと多官能 チオールによるUVアニオン硬化

WPBG-345(1~5部)、光増感剤(0.2~1部)、jER®828(エポキシ等量185、三菱ケミカル株式会社製)(100部)を混合後、加温もしくは希釈剤で混合する。室温で、KarenzMT®PE1(SH等量138.5、昭和電工製)(70部)を加え、混合する。基板に塗布後、10秒照射(面照度:100mW/cm2(365nm)、261mW/cm2(405nm))、120℃で露光後加熱する。