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高分子関連材料

光塩基発生剤(PBG)の選び方

適切な光塩基発生剤(PBG)の選び方には、以下のようなポイントがあります。

●どのような反応に使用するか?

強塩基を発生させる「イオン型」と、溶解性や耐熱性に優れる「非イオン型」の光塩基発生剤があり、実施したい化学反応によって適する光塩基発生剤が異なります。

>> 反応別の推奨する光塩基発生剤 (WPBG)

●反応性と保存安定性

光塩基発生剤により、反応性とモノマー中での保存安定性が異なります。用途に合わせてバランスの良い光塩基発生剤をご利用ください。

>> 反応性 (求核性・塩基性) と保存安定性

●光源の波長と感光波長

光塩基発生剤により、感光する波長が異なります。一部の光塩基発生剤は、増感剤の使用により、より長波な光源を用いた反応が可能となります。

>> 光塩基発生剤の感光波長

反応別の推奨光塩基発生剤(WPBG)

反応 反応例 推奨品番
連鎖
重合

シアノアクリレートの付加重合

WPBG-300

エポキシド、エピスルフィドの開環重合

WPBG-140
逐次
重合

チオールのエポキシドへの付加

WPBG-345(保存安定性重視) WPBG-300(反応性重視)

チオールのイソシアネートへの付加

WPBG-300

チオールの不飽和アルケンへの付加(チオマイケル付加)

WPBG-165 WPBG-266(ラジカル発生)

開発品A(ラジカル非発生)

活性メチレンの不飽和アルケンへの付加(マイケル付加)

WPBG-266

フェノールのエポキシドへの付加

WPBG-018 WPBG-345

カルボン酸のエポキシドへの付加

WPBG-345

エステル交換による重縮合

WPBG-018
(保存安定性・溶解性重視)
WPBG-345(バランス重視) WPBG-266(反応性重視)

ケイ酸エステルの加水分解、重縮合(ゾル-ゲル法)

WPBG-018
(保存安定性・溶解性重視)
WPBG-345(バランス重視) WPBG-266(反応性重視)

イミドへの閉環

WPBG-027(保存安定性重視) WPBG-018(溶解性重視)

開発品A(求核性付与)

酸塩基
反応

スルホン酸基H+のトラップ

WPBG-027 WPBG-018(溶解性重視) WPBG-165
(重合性基・溶解性重視)
WPBG-140 WPBG-345 WPBG-300 WPBG-266

開発品B
(重合性基・長波長感光性重視)

※開発品A・開発品Bにつきましてはお問い合わせください。

反応性と保存安定性

WPBGは製品ごとに反応性(求核性・塩基性)と保存安定性が異なります。ご使用の用途に合わせ、ご検討ください。

①求核性

製品別の保存安定性と求核性の関係図
※本チャートは、あくまでイメージであり正確な物性を示すものではございません。

②塩基性

製品別の保存安定性と塩基性の関係図
※本チャートは、あくまでイメージであり正確な物性を示すものではございません。

光塩基発生剤の感光波長

WPBGは製品ごとに感光域が異なります。また製品によっては、「増感剤」を用いることで長波の光でも反応を開始することが可能になります。

>> 増感剤についての詳細はコチラ