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高分子関連材料

光塩基発生剤(PBG)

光塩基発生剤(Photo Base Generator)は、UVの照射によってアミンなどの有機塩基を発生する化合物です。発生した有機塩基によって、エポキシ樹脂の硬化、ゾル-ゲル法などを進行させます。

塩基発生器に紫外線を照射して塩基を発生させる様子を示す図

アニオン重合の特徴

  • 空気中で使用可能。(硬化阻害がない)
  • 後硬化が可能。(活性種のアニオンが失活しない)
  • 金属配線上で使用可能。(金属腐食を生じにくい)
活性種 反応例 阻害要因 後硬化 金属腐食
ラジカル ラジカル重合反応の例 O2 × なし
カチオン カチオン重合反応の例 H2O あり
アニオン アニオン重合反応の例 なし なし

塩基を利用した様々な反応

有機塩基は、その求核性や塩基性を活かすことで、種々の硬化反応を起こすことができます。また、硬化系以外にも、解重合の触媒、酸の中和剤など様々な目的にご使用いただけます。

有機塩基を使った6つの反応例 >> 反応ごとの光塩基発生剤(PBG)の選び方はコチラ

イオン性PBG

光照射により、強塩基のビグアニド(pKbH=31.8)が発生します。架橋剤やモノマーとの反応性が高いのが特徴です。

非イオン性PBG

光照射により、2級アミンを発生します。安定性や耐熱性に優れるのが特徴です。

適用分野・用途の例

エレクトロニクス

エレクトロニクス分野

プリント基板
フォトレジスト
表面保護膜
絶縁膜など

光学・ディスプレイ

光学・ディスプレイ分野

レンズ部品
光学部材
コーティング
カラーフィルタなど

印刷

印刷分野

UV硬化性インキ
3Dプリント樹脂など

自動車分野

自動車分野

ヘッドランプレンズ
樹脂窓ガラスなど

接着・シール分野

接着・シール分野

UV硬化型接着剤
UV硬化型シール剤など

その他

その他

建築材料など

※一般的な光塩基発生剤(PBG)としての適用可能性を示したものであり、各種用途への適用を保証するものではありません。

特徴的な加工・反応の例

例1) 2液混合タイプの接着剤として使用する場合

◎UVを透過しない被着体同士の接合が可能です(金属・樹脂など)

UVを長めに照射することでUVが当たらない部分も接合可能

◎UV照射後の組み立てが可能です

UVを短めに照射することですぐには固まらず、組み立ての猶予を得られる

◎小型UV設備で大面積の接合が可能です

一部へのUV照射で十分に固まるため、小さなUV施設で対応可能

例2) 2液混合タイプのシール剤として使用する場合

◎UV照射により硬化時間を短縮可能です
◎熱を使用せずに硬化が可能です

深さのある部分に充填するシーリング材の場合でも、表面にUV照射することで最奥部まで硬化する

※一般的な光塩基発生剤(PBG)としての適用可能性を示したものであり、各種用途への適用を保証するものではありません。

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